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金峰山の奇跡; ;第二部:奇跡編(11)

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 金峰山の奇跡; ;第二部:奇跡編(11) 


その後の奥秩父・金峰山・・、

奥秩父の金峰山へは小生単独、友人、そして山仲間などと共に7~8回位は訪れているだろうか。
そして、あの時の事があって以来10数年後のこと、小生は無事所帯を持ち、子供も出来、その成長した子供たちを初めてこの金峰山へ連れてきた。 
10歳の誕生日を迎えた娘と二つ下の息子を従えて。

特に、娘は体形小さく、ややひ弱な感じのする娘(こ)で心配な面があったが・・、
家族向きの、付近の低山ハイキング程度は過去何度か歩いているが、2000m以上の高度を持つ山岳は勿論初めてであった。
親父としては多少の懸念が無いわけではなかった。 其れに、本人自身は“山というものはただ疲れるところ“、だと認識している節もあったようだ。
そんな娘を何とか説得し、半ば強制して2595mの標高をもち、しかもアルペン的風貌をもつ岩山の奥秩父の盟主「金峰山」へ登行することにした。

時は、昭和の後年の11月頃であった。
始めの森林帯の登りでは順調であったが、かの稜線付近の岩場で吹雪模様の悪条件に襲われ難渋したのであった。 
元気な息子はさほどでもなかったが、娘の方は疲れと寒さと恐怖とですっかり意気消沈し、体調不全になってしまい、歩くのもやっとという状態に陥ってしまった。
小生は何とか宥め(なだめ)、すかし、手を引いてやり、時には負ぶってどうにか、こうにか「金峰山小屋」へ飛び込んだ。

娘は、その夜は何とか乗り切ったが、次の朝は食欲も無く、若干の発熱もあったようだ。
小屋の人に事情を話すと、快く了解されて静かな二階の部屋に案内され、特別な布団を用意してもらい娘を休ませることが出来た。
この際、特に「林」さんという小屋の主人や小屋のお手伝いさんには大変お世話になった。
お手伝いの女性の方は相模原の佐藤さんという人で、父親が開業医をしているようで、娘の身体を診察よろしく診てくれて、非常に助かったのである。

「足や肩がチョッと凝っているわ、それに、疲れで胃が弱っているようだね」
などといって、特別に薬やお粥などを振舞って戴いた。

叉、林さんは川上村の住人で、元より、村所有の当山小屋を村より譲り受け、それ以来凡そ20年に亘りこの小屋の管理、運営をしているらしい。 そして、奥秩父の各山小屋の仲間でも主導的人物で、この奥秩父山系を「東アルプス」と呼称しようと音頭をとった人でもあった。 
このこと以来、すっかり知り合いになり、お付き合い戴いて、特に山では何かとお世話になったが、近後年、突然、交通事故により他界したことを新聞報道で知った。
非常に残念であり、遠方よりお悔やみを申し上げた次第である。


娘は小屋関係者に何かと世話を戴き、短時間の休息ですっかり良くなった様だ。
そして・・、
「実はね、父さんはね・・、この二階のここんとこで、今から十数年前、或る女の人ととても良い仲になって、結婚しようとさえ考えた時があったんだよ」
「へーーっ、 それが今のお母さんと言うわけで、それで私たちをここへ連れてきたという事か・・!」
「否、あの時の女性は今の母さんではないんだよ。 あれから直ぐ母さんと知り合って一緒になったんだけどネ・・、」
「なーんだ、つまんないの・・!、もう山下りようよ、私、もう大丈夫みたいだから」



【追記】

小生が未だ若年の頃、山歩きの楽しみを覚えてから丹沢、八ヶ岳、穂高などを経験した後、初めて奥秩父の「金峰山」へ登山を試みた。
金峰山の頂上へ達するまでは普通の登山と同様で、岩だらけの稜線や頂上の独特の風貌を持つ五丈岩など、山歩きの醍醐味、楽しみを相応に満喫したが、既に、八ヶ岳、穂高を経験した後だっただけに、満足は果たしたが特別な感情を抱いてはいなかった。
山行は1泊2日の行程だったので、当然、金峰山の山小屋でお世話になることにした。 

普通、山歩きに出かける場合には、日帰り以外はどうしても山小屋のお世話になってしまう。 これはテントなど山での宿泊用具を持ち込んでの登山ならいざしらず、小生は山登りを始めて日も浅く、正直なところそこまでは熟達はしていなかったのである。
そして一応、泊り慣れている山小屋ではあるが、この金峰山の山小屋でとんでもないことを体験してしまったのである。
未だ、異性との体験や親密な接触の無かった小生が、超混雑するこの山小屋で、隣り合わせた、うら若き女性と、内密の合意があったとは思われるが接触、体験をしてしまい、夢のような、奇跡のような一夜を過ごしてしまったのである。


通常、登山後の山の記録は、わりかし簡単にメモ程度にしか記残してはいなかった。
だが、この時ばかりの貴重な経験は記憶に留めるのみでなく、青春の1ページとして登行メモは勿論、あの時の体験を再度脳裏に浮かべ、気が高ぶるのを抑えるのももどかしく、詳細に再現しながら記録としてまとめ、留めて置き、残しておいた。

そしてこの度、これらを元に「書下ろし」風にまとめあげ、脚色、加筆しながら出投稿したものが本文であります。



『恋愛とは、その二人が一体となることであり、ひとりの男とひとりの女とがひとりの天使となって融けあうことである。それは天国で』――ユーゴー(フランスの大作家)

『恋愛はただ性欲の詩的表現を受けたものである。少なくとも詩的表現を受けない性欲は恋愛と呼ぶに値しない』――芥川龍之介(近代日本の代表的作家)

『男女の愛情、性の欲求は、人間自然の要求です。これは、どのようにゆがめられた条件のもとでも、男女ともにはげしい欲求となって現われるものです』――平井 潔(青春作家)


『終』



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金峰山の奇跡; ;第二部:奇跡編(10)

金峰山(きんぷさん)は、山梨県の中央、北部に位置し、長野県との県境にある標高2599mの山である。 金峰山山頂には、特徴的な五丈岩があり、山腹や山麓から見ることもできる。 金峰山は「日本百名山」にも選ばれている秩父の連山でも第一級のやまであろう。

この金峰山登山の過程で若かりし頃、非常な体験をした。
鼓動が高鳴る「奇跡の体験」は、数十年以上も過ぎた今日でも、鮮明に記憶の隅に残っている。
それは、超混雑していた奥秩父の名山・金峰山の山小屋での出来事だった。
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
やがて、就寝の時間がやってきてランプの灯火が消され、騒がしかった人々が次第に睡眠の寂の世界へ向かいつつあった。
そんな中で、私には何かが起こりつつあったのだ・・!!

以下は本文へ・・、
☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆





 金峰山の奇跡; ;第二部:奇跡編(10) 


夢の世界から、現実の空間へ引戻された。 
今まで現実とは乖離していて宙に浮き、夢の中にいたが、果たして、現実に戻って、今までが夢ではなく現実であったことが実感される。 更に、思い返すように頭に中で盛んに復習をしているのである。


気が付くと周辺からは激しく、雷のような鼾(いびき)が響き渡る。 
現実の世界に戻された。
ソッと懐中電灯の灯りで時計を見ると、11時を回っていた。
しかし、快楽的興奮はなかなか収まりそうに無い。
そして、明日朝、彼女と現実の世界で顔を合わした時、一体、どのような態度、いかなる仕草をすればよいのか・・?。

余韻を味わいながら・・、彼女と近い将来起こり得るであろうことを盛んに想像する。
先ず、明日朝起きたら、何気なく挨拶を交わし、タイミングを見計らって彼女の名前と連絡先を問う。 
彼女は快く応じるだろう・・!。 
そして、近い日に会うことを約束し、その後、甘い恋人同士になって数回のデートを重ねながら、結婚の約束を取る・・!。 
彼女との新婚生活は何処にしよう・・?。
現在、小生は東京・大田区の多摩川の縁に住んでいて、電車で東京駅・丸の内に通っている。 多摩川付近は住環境も良く、この辺りに新居のアパートを借りることにしよう。 
始めは共稼ぎでもしながら、子供は何人くらいがいいかな・・?、三人ほ程度いれば理想だな。
子供が大きくなったら、揃って金峰山のこの山小屋に連れてきて・・、
「父さんと母さんが一緒になったのは、ここで良い事があったからだよ・・!」
何てね・・!。


夢物語のような夢を追いながら、次第に夢の中に誘(いざなう)われた。


そして朝、喧騒の中で目が覚めたのであった。 
強烈な朝の光が眩しい・・!。

さて、昨夜は何事かあったようだが・・?、そうだ、彼女は・・?。
寝ぼけ顔で辺りを見渡したが、彼女の姿は勿論、女性三人グループは見当たらなかった。元より、超満員の大部屋そのものは既に、余り人の姿は無かったのである。
ヒョッとすると階下か小屋の周りに小生を待っててくれるのだろうか・・、と期待をしながら慌てて周辺を探してみた。
既に、彼女らの姿は無く、霧の中に消えさっていた。
彼女は一夜限りの夢の世界で満足し、納得して去って行ったのであろうか・・?

こうして、「金峰山の奇跡の一夜」の実感、体感は、現実に戻ると雲散し、霧消し、夢と消えたたようである。

それのしても、昨夜の事態、事柄は一体何だったのであろうか・・?
小生の傷心の胸は、なかなか癒されなかった。


何はともあれ、金峰山より下山しなければならない。
昨夜の、快楽夢想の出来事が回想シーンとなって頭の中を駆け巡り、
何処を、どう下ってきたのか定かでないまま、麓へ達してしまった。

何れにしても、初めての金峰山への登山は、奇跡の山行となったことは確であった。



『恋愛とは、その二人が一体となることであり、ひとりの男とひとりの女とがひとりの天使となって融けあうことである。それは天国で』――ユーゴー(フランスの大作家)

『恋愛はただ性欲の詩的表現を受けたものである。少なくとも詩的表現を受けない性欲は恋愛と呼ぶに値しない』――芥川龍之介(近代日本の代表的作家)

『男女の愛情、性の欲求は、人間自然の要求です。これは、どのようにゆがめられた条件のもとでも、男女ともにはげしい欲求となって現われるものです』――平井 潔(青春作家)

次回、最終へ・・、




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金峰山の奇跡; ;第二部:奇跡編(9)

金峰山(きんぷさん)は、山梨県の中央、北部に位置し、長野県との県境にある標高2599mの山である。 金峰山山頂には、特徴的な五丈岩があり、山腹や山麓から見ることもできる。 金峰山は「日本百名山」にも選ばれている秩父の連山でも第一級のやまであろう。

この金峰山登山の過程で若かりし頃、非常な体験をした。
鼓動が高鳴る「奇跡の体験」は、数十年以上も過ぎた今日でも、鮮明に記憶の隅に残っている。
それは、超混雑していた奥秩父の名山・金峰山の山小屋での出来事だった。
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
やがて、就寝の時間がやってきてランプの灯火が消され、騒がしかった人々が次第に睡眠の寂の世界へ向かいつつあった。
そんな中で、私には何かが起こりつつあったのだ・・!!

以下は本文へ・・、
☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆




 金峰山の奇跡; ;第二部:奇跡編(9) 


今、小生の右手はN嬢の熱く燃えるような女の大切な素肌部分にソッと当てがわれている。
やがて、手を移動させて彼女の右手をしっかりと握る。 
彼女の柔らかな手指が小生の手指に絡まる。 
握り返してやる。 
すると一層、力を込めて握り返してくる。

何度か繰り返すうち、彼女の手を持ち、誘いながら今度はそっと私の衣服の上から“太もも”へあてがってみた。 
はじめ彼女の手は、小生の手にリードされながら上下左右にゆっくり動かしていたが、手を離してみると、やはりというか小生の足 ふくらはぎ、そして太ももと彼女自身で優しく動作を繰り返して呉れている。 
内また付近では、はじめ柔らく、時には強く押し付けてくる。 その内、平手で小生の太ももの肉肌を握り締めてくる。
その時、小生の身体に初めて電流のような熱いものが走った。 そして、何かに気が付いたように小生自身の大事な部分が生き生きとしだした。 

これは自然の成行き、正常な男としての反応でも合った。 
ただ、不思議なことに彼女の素肌を優しく撫でているときは何の変哲も無かったのであるが、それは或いは、小生自身への神経の伝達前に、小生自体の全神経がある彼女の一点に集中していて、己自身をかえりみていなかった為かもしれない。

小生は、更に彼女の手を誘って、小生自身の熱くみなぎる大切な部分へ当てがってみた。 
彼女は素直に従って、衣服の上からではあるがソッと握ってきた、時にはつよく、時には優しく・・!!。
その内、彼女は小生のズボンを摘んで下ろすように催促する。 小生は緊張しながらも嬉々として、その動作に移った。

小生の無骨な素肌に、彼女の熱い、真綿のような神の右手の指が、小生の手にリードされながらも、自らすすんで静かな動きをはじめる。 
始め、彼女の傍(そば)に近い太ももから腰部、そして身を乗り出すように(両者は上下逆さまになっているため)下腹部へあてがってくる。 
小生は耐えるように息を殺していて、彼女の手に平の動きに全神経を集中させている。

それにしても、何と彼女の手の平、指先の柔らかいこと。 
ベビーパウダーのような滑らかさで、やはり、女神に手、神の手である。 
彼女の手は繰り返し小生の右半身を撫でる、摩る、弄るを繰り返し、ときには腰回りの肉塊をギュッと握り返してくる。

小生自身の大事な部分は興奮の極致で、地殻の深くに溜まっている大事なるマグマが、今にもが噴出してきて爆発を起こしそうな感覚に襲われる。 だが、それを必死になって堪えているのである。 高ぶる多面体の神経を押さえるのに、我慢の体勢で下半身は時折、硬直を起こす。
これは男としての正常な感覚であろう。
それにしても、さすがに神の手は、大きく、はちきれそうな小生自身の大事な部分や付近にはやってこない。
やはり一抹の遠慮があるのだろうか、それとも彼女の処女性によるものか、 まあ、どちらでもようことではあるが。

ともあれ小生は再び女神の手を取って、熱く燃えたぎ小生自身の部分へ誘ってみた。 
はじめ彼女は決心がつかず、ためらい、イヤイヤするような仕草をしたが、すぐに危険なものにでも触るように遠慮しがちに手の平、指先を絡ませてきた。 
そして、次第に大きく、深く、優しく抱く感じになっていく。 
だが、ここでも女神の手は、上下に摺動運動することはなかった。 
彼女は未だ男という対象物の感性、性癖を知らないのであろうか・・?、それとも、或いは知っていても遠慮しているのか。 
何れにしても、小生もそれ以上のことは、してほしくは無かったのである。 それは即ち、小生自身の一物が忽ち限界を超えることであり、爆発することでもあった。 これは良しとしない。 
小生はこのことだけで十分だった。 

電流のように走ってくる強弱の神経を変圧し、時には遮断すべく、下半身をつかって筋肉を硬直させ、我慢の体勢をとるのに精一杯なのである。
 
これがもし平常かつ正常の神経だったら、大きく漲るものが、たちまちにして限界を超え、爆発を起こし、周辺があられもない始末になり、大変な事態になっていたかもしれないのである。 

今ある、女神の手はそれで十分だった。


彼女の神の手を、暫らくそのままの状態にしておいて、次に、小生の右手は再び彼女の未だ肌蹴(はだけている)ている素肌に当てて、腰部から腹部へ、更に、下腹から大切な部分へと当てがった。 
彼女も先ほどまでとは変わって、すっかり打ち解けて、リラックス状態になり、安心して任せているようである。 

そこの女性自身の大切な部分へコンコンと合図をおくると、直ぐに小生自身の大切な部分を軽く抱いている彼女の右手から同じような反応が返ってくる。 
次にやや強くお押し付けてみた。 
女神の手も同様に強く握り締め、おなじ仕草を返してくる。 
暫らく、そのままの姿勢で静止している。 

何とも快い・・!!、

宙に浮いているような、天国を漂っているような、至福で、幸福感に満たされている瞬間である。 
今やこの時、彼女自身はどんな感情を抱いているのだろう・・!。 
きっと同様な感傷を抱いているに違いない、否、きっとそうあって欲しい。
そして、通常の状態であるならば、この時点で男女和合の状態へ自然と入り込んでいくはずであろう・・!!。 
現状ではそれが出来ないのが口惜しく、残念ではあるが・・、しかし、男と女の偶然の関係は、もうこれで十分だった。 


どの位の時間が経過したのだろう・・?、永いような、短いような感覚が虚ろな時間帯が過ぎて行く。  

暫らくして、彼女の敏感な部分から手を戻し、彼女もそれに習った。 
そして、「これでお楽しみは終わりだよ・・!」と彼女に最後のメッセージを送った。 
彼女もそれに答える。
共に掛け合っていた上掛け毛布を、再び彼女の元へ返してやった。

全ては終わった・・!!。

つづく・・、 



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金峰山の奇跡; ;第二部:奇跡編(8)

奥秩父の金峰山(きんぷさん)は、山梨県の中央、北部に位置し、長野県との県境にある標高2599mの山である。 金峰山山頂には、特徴的な五丈岩があり、山腹や山麓から見ることもできる。 金峰山は「日本百名山」にも選ばれている秩父の連山でも第一級の山岳であろう。

この金峰山登山の過程で若かりし頃、非常な体験をした。
鼓動が高鳴る「奇跡の体験」は、数十年以上も過ぎた今日でも、鮮明に記憶の隅に残っている。
それは、超混雑していた奥秩父の名山・金峰山の山小屋での出来事だった。
・・・・・・・・・・・・
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やがて、就寝の時間がやってきてランプの灯火が消され、騒がしかった人々が次第に睡眠の寂の世界へ向かいつつあった。
そんな中で、私には何かが起こりつつあったのだ・・!!

以下は本文へ・・、
☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆




 金峰山の奇跡; ;第二部:奇跡編(8)  


それにしても、男と女の関係とは不思議なものである。

男性と女性では当然のごとく体つきや身体の機能など、明らかな性としての違いがあるが、 この違いが異性の関心をひきつける魅力となっているのだろう。 だからこそ、男と女は惹かれあい求め合うのかもしれない。
加えて、男女間の感情、感性は複雑で微妙なものである。
その複雑な異性との関係が、始めは友情関係であろうが、それはやがて簡単に男女の関係に変わりうる。 
それが人としての、成人大人としての自然の成行きであろう。

だが、そこにはある種の異性に対する個々としての“望み”があるはずである。
例えば、男性が女性に対し最も魅力的に感じるときは、心根(こころね)のよい女性に触れたときかもしれない。 
「かわいい女性」、「きれいな女性」は男として望むところではあるが、ただ美人でかわいくてスタイルがよければ、どんな女性でもいいかと思えば、さにあらず、やはり、その人の人柄や性格を重要視するし、優しくて気のつく女性がいいとか、健康的で明るい感じの人がいいとか・・、
何れにしても、男女の微妙な関係は、複雑さに絡み合い、撚りあい、そして、次第に解(ほぐれて)れて、自然の流れに沿いながら、やがて何時かは収まる所へ収まってしまうものかもしれない。


そして、今、横にいる彼女は果たしてどのような部類の、いかなる女性なのであろうか・・?、 
そして、今こうして見ず知らずの一個の女体を、小生の固体と等しく繋ぎ合わせているのである。

今から数時間前に片言の会話で、お互い義理立ての笑顔を交わしたとは言え、女の何処が判ったというのか。 それでも尚、男と女の関係というのは、世の道理には合わない奇態な感性を表し、摩訶不思議な行動を示し、ある瞬間は最も非常識な存在なのかもしれない。 
しかし、ある意味でそれが世の常道として認められているのも確かなようである。

今こうやって脇にいる女性は、豊満な肢体をしたビーナスであり、女神である。 
小生はこの美しき女神の僕(しもべ)となって、女神に奉仕し、女神の欲求するあらゆる事に答えてやり、女神に心行くまでの奉仕をし、尽くす限りを尽くすのみである。  

しかしこの女神も多少の“恥じらい”は有るのだろうか・・?、

“恥じらい”とは女の美徳でもあろう。
でも、“恥じらい”とは相手があって、その対応や周りの様子などによって感じるもので、それを感じて“恥ずかしそうな素振り”をすることであろう。 そこには目に見えない不定形な“或る一線”が敷かれているいるはずである。 
或る一線の外側にある対象物(ここでは人、特には異性)に対しては“恥じらい“を感じ、装い、防御の姿勢を獲るのは確かなことで、必要なことでもあろう。
だが、その一線の内側に入った場合、お互いが許容しあい、認め合い、遠慮が薄れて同一の価値観を抱くようになると、即ち、羞恥の心が薄れるものでもあろう。

小生が中学3年の時、奇しくも貴重な体験した同級生の裸身の姿。 
その女性は、生身の全裸の肢体を遠慮なく曝け出し、小生にその視線を許し、すぐ前で彼女の肢体を余すところ無く、目の当たりにしたのであった。 
このことは同様に“或る一線“の内側にいて許容されたものと想像できるのである。

そして今、現実に小生は、彼女の思考の第一線の内側に存在しているのは確かなようなのである。 更に、暗闇の世界、盲目の状態で視線がないため、“恥ずかしさ”や“恥じらい”という羞恥感覚は半減しているのも事実であろう。
尤も、恥ずかしさや恥じらいというのは、相手に対して必ずしも否定的な意味合いではなく、逆に肯定的な意思表示と取れる場合も多い・・?。
何れにしても男女間の関係というのは複雑多岐であることも確かなようである。


だが現状、彼女と小生の関係については世間的には絶対あってはならないことなのかもしれない。 道義に反する行為なのかもしれない。

今、こうしている彼女の内心は果たして実際はどうなのであろうか・・?、
或いは時がとき、場所が場所ゆえに我慢に我慢をを強いられているのかも知れない。 
これは、世間的には許されないワイセツ的行為であり、望まないのに相手方に性的悪戯、不快行為、不必要な身体的接触をし、それが強要されていると感じ取られた場合、今で言う強力な「セクハラ」というものであろう。 。
そして、それらが現実の世界に戻って後、誰かに訴えられたら何としよう・・!。

その時、小生は実際に有ったことを嘘、偽り無く、隅から隅まで包み隠さず、一部始終を語ることに由としよう。 
そして、それに対する罪や罰は喜んで甘んじて受けよう
これが現在の小生の偽らざる心境である。


何れにしても山小屋の状況、周辺の現実、見渡す世界は混然とした惨憺たる情景なのである。
ところが、その中の一極、この極めて狭い一画だけは女神を抱き、阿弥陀如来を撫でながら、絶対対照的な天国の世界、極楽浄土の夢の空間を創り出し、漂っているのである。

小生の右手は、今、N嬢の熱く燃えるような女の大切な素肌部分にソッと当てがわれている。
やがて、手を移動させて彼女の右手をしっかりと握る。 
彼女の柔らかな手指が小生の手指に絡まる。 
握り返してやる。 
すると一層、力を込めて握り返してくるのである。

つづく・・、



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金峰山の奇跡; ;第二部:奇跡編(7)

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金峰山の奇跡; ;第二部:奇跡編(7)


思えば、小生自身も今まで、よそ様の普通の女性とは全くの未経験であり、社会的、世間的には女の身体を知らない、所謂「童貞」である。  
しかし、ある筋の導きでの男と女の処理の仕方としては、実際は童貞に非ずである。 
実は、小生の現在住んでいるすぐ近くに、男の性欲を満足させてくれる専門の世界があり、そこで適当に男の処理をし、楽しんではいたのである。
つまり私事ながら、男にはなっていたのである・・!、

それは未だ20歳そこそこの頃であった。
田舎の会社(現、いわき市)、工場勤務より東京大手町の本社へ出向転勤になり、この会社の社員寮のある東京・大田区・多摩川土手の近くに居を移した。 そこは六郷地区といい京浜急行の「六郷土手」の駅がある。 
叉、そこは多摩川堤のすぐ近くで、僅かなところに第一京浜国道(旧東海道)の六郷橋が架かり、川向こうは神奈川県の川崎市である。 川崎の国道と鉄道(京浜急行・・、)に挟まれた下町風の一角に「堀の内地区」というのがある。
或る日、先輩に連れられて六郷の橋を渡り、川の「堀の内」で遊び、男として初めて「筆おろし」を行った地でもあった。

堀の内は、昭和中期頃までは、公の遊郭街として有名であり、近郊の男供を相手に正々堂々と商売し繁盛していたという。 ところが、売春防止法(昭和31年)が発布されて公には出来なくなり、飲食店という形式で内々に商いを行っていたようである。
(現在はソープランド、ピンサロ、ヘルス、デリヘルなど、所謂、国内有数の風俗店が軒を並べているらしい)

小生が始めてこの地を訪れたのは昭和30年代後半であった。
或る女性に誘われるままに入店し、カウンターで飲食をしながら徐に(おもむろに)意志を確認しあい、商談・・?がまとまったら何がしかの金銭を別に払って、二階の特別室で男としての用を済ませたものであった。

その後も給料日の後などは、下駄履きでカランコロンと六郷の橋を渡り、お馴染みの所で、たまにはお馴染みさんと「筆ならし」を行ったもんである。 
それは、現在(当時)でも続いているのである。



山小屋の夜は更けてゆく。 
あれから、どの位の時が過ぎたのであろうか・・?

山小屋の混雑期には、特に大部屋では小生自身のことはともかく、イビキ、寝言、歯ぎしり、寝相の悪い奴等に時折泣かされるときがある。 
しかし今現在、この山小屋は死んだように静まり返っている。 否、皆がみな人々は息を殺して何かを感じ取っているのだろうか・・?

小生の邪険な行いに皆が気が付いていて、固唾をのんで、押し殺しながら見守っているのだろうか・・?、 妙な不安感が一瞬、気心をよぎる時もある。 
彼女の連合い二人は今はどのような状態なのであろうか・・?、深い睡眠状態なのか、はたまた針のような神経で二人の行為を覗っているのだろうか・・?、
このような事態に思いを巡らし、胸中を過(よぎる)ぎる時、一層、ほぼ同衾(男女の関係で一つの夜具の中に共に寝ること)の状態にあるN嬢が愛(いとおしく)しく思われるのである。

小生は今、こうして「金峰山の奇跡の一夜」と体感しているのである・・!!

つづく・・、



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