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東北紀行(25)岩手 「北上川」

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 東北紀行(25)岩手 「北上川」  ,



岩手県に入ると早速、一関である

一関は如何にも関所に関したような名前のつけ方である。
平安後期まで俘囚(ふしゅう:朝廷の支配下に入り、一般農民の生活に同化した蝦夷:えみし)の長として奥六郡を支配した安倍氏が一の関、二の関、三の関と砦を築いた事によるという説や平安末期に奥州一帯を支配した奥州藤原氏が、平泉の南側を守るために置いた関所に由来しているという説がありようだ。 
いずれにしても、この地は古くから「」であったといわれる。


この関の北側である一関から北へは東北道自動車、国道4号線、東北新幹線、東北本線と名だたる主要幹線が南北に縦貫している。 
しかし、これは近代、現代に到ってからのことで、この地域の最大にして特徴的なのが真っ芯に「北上川」が動脈のように流れているのである。
それ以前の交通、通商の手段としては奥州街道もそうであったが、何といっても北上川である。

北上川は、岩手県、宮城県を流れる本流水系で、延長距離が249kmと比較的短いが、流域面積は東北最大であり全国でも4番目に入る。 
また、日本の河川としては勾配がかなり緩いことも特徴となっていて、其の流域の大半は岩手県の中央部を貫通している。
その流域には、一関、平泉、衣川、前沢、水沢、胆沢(いさわ)、江刺、金ヶ崎、北上、花巻、盛岡そして厨川といった奥羽地方の名だたる名称が、既に大和朝廷の時代から知られる地域名が多く並んでいる。 

そして、北上川は盛岡市内の中央部を貫流し、更に北上して岩手県北部・岩手町に到り、御堂観音(いわて銀河鉄道・旧東北本線「御堂駅」)の右裏手にある清冷な泉の湧く処、この地が古くから北上川の源泉だと伝えられている。
11世紀半ばの前九年の役で源頼義、義家父子が、この地に進軍した時に、義家が矢を放った所を弓の端で堀り出すと、清水がこんこんとわき出し、猛暑にあえぐ兵の喉を潤したといわれている。 この泉を「弓弭の泉」と称している。


最も古い北上川の利用記録は、平安時代に東北の蝦夷(えみし)を討伐した武将として知られる坂上田村麻呂によるもので、北上川の支川である雫石川のほとりに、彼が造営したとされる志波城址がいまも当時の面影を残している。

古代奈良期の頃までは、この辺りは未だ東国・蝦夷(えみし)といわれた処の中心で、蝦夷・エミシの棟梁である「アテルイ」という人物が古代東北を治めていたことは、東北の歴史に興味のある人は周知のことであろう。
大和の国統一を計る朝廷は宮城・多賀城に根拠を持ち、幾度となくエミシの中枢である水沢、胆沢を攻めるが、アテルイによってことごとく阻まれてる。 
そして最後に登場するのが征夷大将軍に任命された坂上田村麻呂よって、一応の決着をつけられるのだが。

又、古代末期の東北の現地豪族して知られる安倍氏による城柵は、北上川の河畔に数多く建立されていて、川崎村の北上川と砂鉄川の合流部付近には船着場のような石積みの跡が確認できるという。
東北の蝦夷(えみし)たちは一般に俘囚(ふしゅう・朝廷の支配下に入り、一般農民の生活に同化したエミシ)と呼ばれるようになり、その維持政策管理を任されていたのが安倍氏であった。 
だが彼は朝廷に対して反乱を起こすことになる。 
これが「前九年の役」、「後三年の役」という戦役であった。 
この戦をを経ながら、北上川流域に藤原全盛期を迎えることになる。


次回、引続き「北上川



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